「そのあたり、奇妙な世界に入っちゃってますね。たぶん、人間と猫とか、日本語と外国語、この世とあの世という2つの世界の境界を超えたい、行き来したいという思いが強いのかもしれません」
ここにきて、星野さんのエッセイにさらに深みというか、奥行きが加わったように感じる。
「実はこれまではノンフィクションが自分の畑で、農閑期にエッセイを書くみたいなスタンスだったのが、今回、いやエッセイというのは深い世界だぞ、もっとチャレンジしなければ、と思ったんです」
では星野さんの中で、ノンフィクションとエッセイはどのように書き分けているのだろうか。
「自分でも境界が曖昧になりつつありますが、あえていえば、ノンフィクションはある時代や地域で起こった出来事を掘り下げていく。エッセイは自分の内面を掘り下げていくということでしょうか」
加えて今回の作品では、よりユーモア面が強化されたような気がします。