「水木しげるさんの妻・武良布枝さんのエッセイが原作で、ドラマにも妖怪のキャラクターが登場したりしたせいか、漫画やアニメが好きな新しい視聴者が増えました。自分の好きなシーンをイラストにして、ネット上にアップしたり。この盛り上がりの頂点が、やはり『あまちゃん』で、その絵は『あま絵』と呼ばれていました(笑)」
木俣さんはこれ以降、SNSの隆盛に伴い、朝ドラはみんなで語るものになったと指摘。本書でも『カーネーション』(’11年)、『とと姉ちゃん』(’16年)など以降の作品を多く取り上げている。
「でも、60年近く続く朝ドラの歴史を思うと、やはり絶対王者『おしん』(’83年)ははずせません」
視聴時にはそれほど認識しなかった『おしん』のメッセージ性の強さに驚かされる、と言う。