インタビューとはなにか、なんのために聞くのか? インタビューになにができるのか? 正直、読んでいて意味がわかりにくい部分、未整理に見える部分もあるが、
「ぼくはプルーストをよく読みますが、生煮えの部分もふくめてすごく好きなんです。そういう割り切れない部分も詰め込んで、読者にゆっくり消化してもらいたい。そういう、昔ながらの読書のあり方を踏襲してみたかったんです」
確かに木村さんの思考の流れに沿うように読み直すうちに、木村さんと一緒に歩き、考え、なにかを探している気持ちになってくる。
「インタビューで何時間も一緒に過ごしていると、周囲の音もなにも消えて、話し手と聞き手が一体になることがあるんです。それが人との出会いというか、そんなふうに人の中に入り込むことが冒険なんだなあって気がしています」