数年前、外出中にふとコーヒーが飲みたくなり、近所のコーヒー店『ミカフェート』に初めて立ち寄った岸本葉子さん。
「偶然入ったのですが、後味がすっきりしていて、おいしくて。その時、お店にコーヒー豆入りのペットボトルが並んでいるのが、印象に残っていたんです」
それからしばらくして、コーヒー好きの知人を店に案内。気に入った知人が、豆を購入することにし、挽いて粉にしてほしいと店のスタッフに頼むと、「その前に、ぜひペットボトルの蓋をお客様ご自身で開けてみてください」と言われた。
「不思議に思ったのですが、知人が蓋を開けると、 “パンッ” というシャンパンボトルを開けるような音がして、コーヒーの豊かなアロマがふわっと漂いました。なるほど、そういうことだったのかと」
『ミカフェート』は、最高品質のコーヒー豆を求め、世界各地をまわる “コーヒーハンター” 川島良彰さんが設立した店。味のおいしさは折り紙付きだ。焙煎したてのアロマと鮮度を保つため、特殊なペットボトルに詰めている。開けた時の音は、コーヒー豆から出る炭酸ガスなのだ。
「コーヒーやお茶は、それぞれにこだわりのものを飲んでいる人も多いでしょう。手みやげにするなら、味以外にプラスアルファの何かが欲しい。ペットボトル入りという意外性と、開けた時の音と香りへの驚きが、とてもいいと思いました」
以来、2本をセットにして贈ることが多くなった。一度、ホームパーティーに持って行き、食後にホストに蓋を開けてもらったところ、大盛り上がり。その後、ペットボトルを皆でまわして香りを楽しんだという。
手みやげは、仰々しすぎず、さりげなく感じられるものが好きという岸本さん。
「上等のコーヒー豆なのに、容器は可愛らしいペットボトル。そんな押し付けがましくない見た目も気に入っています」