ぶどうを育て、1年に1度丁寧に仕込みをし、年月をかけてワインを育てていく描写。読み進めるうちに香りふくよかなワインを飲みたくなるのだが……。
「私は普段ワインもお酒も飲まないし、ワインにそこまで興味津々、ではないんです(笑)。この本で自分に課したのは “知らないジャンルのことを、きちんと調べて書く” という経験。ワインの造り方などを取材し、ストーリーに展開する、というのが今回はハマりました」
毎回それまでの作品では書いていない内容や手法を試したいと思っていて、1作ごとに、デビュー作と全然違う、と言われたいそう。
「自分の作品らしさというものは自分で意識するものではなくて、自然とにじみ出てしまうものだと思うんです。だからできるなら、ミステリーでもルポルタージュでも怖い話でも、何でも挑戦してみたいんです」