「他の方法はないものかと、アーユルヴェーダや漢方、温泉療法などさまざまな代替医療を試したけれど、あまり効果は得られなくて。信じて広めてきたアーユルヴェーダも思ったほど効かないという事実に、最初はすごく落ち込みました。でも、アーユルヴェーダの恩恵を受けた人たちの声をずいぶん聞いていたので、私の病気にはたまたま効かなかったんだと思えた。ただ書き手としては、自分が経験したアーユルヴェーダの限界も伝えなければフェアじゃない気がして。それでこの本を書き始めました」
同時に直面したのは、日本の医療における「選択しなきゃいけないつらさと選択できないつらさ」だ。
「医療を受けていると治療法や検査について、『どうしますか?』と言われ、患者主導で決めなければいけない場面は多い。一方で、代替医療を試したくてもけむたい顔をする医師が多く、大手を振って選択できないつらさも。私は理解のある先生に出会えて、最終的には漢方やアーユルヴェーダを、薬の副作用や痛みの軽減に使うことができました。西洋医療にも代替医療にも限界があるからこそ、補い合える関係が理想ですよね。統合医療が当然になってほしいです」