麻布十番『たぬき煎餅』の大狸 小狸 古狸|手みやげをひとつ
- 撮影・森山祐子 文・嶌 陽子
筋金入りの煎餅好きが惚れ込んだ、正統派の味。
「父が米どころの新潟県出身ということもあり、子どもの頃から煎餅は大好物。家に常備して、家族で食べています」
そう語る八塩圭子さん。最近ではバレンタインデーにも、チョコレートではなく、ハート形の煎餅を贈っているほどだ。
「自分のことを『煎餅評論家』だと思っていますから(笑)。お店で煎餅を買う時も、見た目や重さなどで、自分が好きなタイプかどうかが当てられるんです」
そんな筋金入りの煎餅好きが贔屓にしているのが、東京・麻布十番にある『たぬき煎餅』。昭和3年創業の老舗は、良質な素材を使った正統派にこだわっている。
「麻布十番は以前に勤務していたテレビ東京から近く、馴染み深い街。当時からよく買っていました。今でも近くを通ると、ついお店に立ち寄ってしまいますね」
八塩さんの定番は、シンプルな直焼き醤油煎餅。歯ごたえ、醤油味ともしっかりした「古狸」、厚手で香ばしい「大狸」、軽い食感とマイルドな醤油味の「小狸」と、さまざまなタイプを楽しめる。
「以前は『大狸』派でしたが、今は口当たりの軽い『小狸』が好みです。息子も『小狸』が大好きなんですよ」
手みやげには、数種類の詰め合わせを持って行くことが多いという。
「軽いから持ち歩きに便利だし、日持ちもする。たぬきの形も縁起がいいですよね。知り合いの方が出演する舞台を観に行く時の、楽屋見舞いにぴったりです」
渡す時は、自分の煎餅好きの話や、3種類の味や堅さの違いなど、必ず言葉を添えるのが信条だ。
「どんなものもそうですが、手みやげも『ストーリー』が何より大切。そこに価値があるんですよね。相手も、ストーリーを知ることで、よりいっそうおいしく感じてくれると思います」
大学でマーケティングを教える八塩さんならではの視点で語ってくれた。
八塩圭子さん
やしお・けいこ アナウンサー
東洋学園大学准教授。テレビ東京で経済部記者、アナウンサーを務めた後、フリーに。現在、BS11『報道ライブIN
sideOUT』(月・火曜)に出演中。情報サイト「日経デュアル」にて “トラの子、育ててます。” 連載中。
たぬきせんべい●東京都港区麻布十番1・9・1 ☎03・3585・0501 賚9時〜20時(土曜・祝日〜18時)、不定休。古狸、大狸ともに5枚入り500円、小狸5枚入り400円、14枚入り詰め合わせ1,500円など。本店のほか、日本橋高島屋、東急東横のれん街でも販売中。取り寄せ可。http://www.tanuki10.com/
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