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『銀座 菊廼舎』の冨貴寄 開運干支缶|手みやげをひとつ

  • 撮影・森山祐子

老舗の干菓子は華があるのに気取っていないのがいい。

「まずフタをあけた瞬間に飛び込んでくる色彩に惹かれましたね」

俳優の中尾彬さんが愛用している手みやげは明治23年創業の『銀座 菊廼舎』の冨貴寄。大正時代に考案されたロングセラー商品で、約30種類の小さな干菓子が丸い缶のなかに収められている。5年ほど前、たまたま本店に立ち寄ってから、いつも銀座散歩の折にはお店で、購入しているそうだ。

「金平糖やハッカ糖、黒豆や落花生など素朴でどこか忘れてしまった味のお菓子がぎっしり詰まっている。これが本当に絵になるんですよね、まるでお菓子の花のようですよ」

趣味の絵画を通じて知り合った仲間の個展に持参すると、誰もが「わっ、きれい」と言って顔を近づけた後に、干菓子をつまんでくるという。

「洒落ているけど気取っていない。思わず手が出る菓子ですよね。手みやげは敷居が高いと手がひいちゃいますからね。その点、この冨貴寄は軽さがあるし、値段が手頃なのもいいです。自宅でも本を読んでる時に豆皿に取り分けて食べています。やめられなくなっちゃうのが、たまにキズですけれどね(笑)」

赤丸缶と呼ばれる定番の冨貴寄はもちろんのこと、季節限定の商品もあり、中尾さんはそれらを使い分けながら、手みやげにしている。

「今の時季なら開運干支缶を持参します。季節感のある打ち物が入って、彩りも豊富でより華やかですから」

中尾さんは冨貴寄を年に数回持参しているところがある。それは、岩手で震災に遭った知人だという。

「かみさんが40年前に仕事で知り合った方と家族ぐるみのお付き合いを重ねています。いつもこの菓子を楽しみにしていてくれて、差し上げるとすごくいい笑顔を、向けてくれるんです」

中尾 彬さん
なかお・あきら 俳優
1942年、千葉県生まれ。1964年、映画『月曜日のユカ』でデビュー。その後も映画、テレビドラマ等で活躍。現在、テレビ朝日系『グッド!モーニング』の毎週火曜日にレギュラー出演中。

ぎんざ きくのや●東京都中央区銀座5・8・8 銀座コアビルB1 ☎03・3571・4095  営業時間 11時〜20時、無休。写真の開運干支缶は2017年2月末までの季節商品。1,600円。通常の赤丸缶は1、400円。銀座本店以外に東京駅、渋谷のれん街、蒲田のれん街、羽田空港に店舗あり。取り寄せ可。http://www.ginza-kikunoya.co.jp/

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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