「そこには論理の隔たりがありますよね。だから使用済みのおむつを持ち帰れなんてことになる。けれど、かつてフランスも日本と同様に出生率下落の一途を辿っていました。日本はそのまま落ち続け、フランスは上昇した。ここ20年の出来事です。なぜフランスは少子化を克服でき、日本はできていないのか。実感のある今のうちに関係者の話を聞きたかった」
資料をあたるにしても、引用文献は避け、一次資料のみを使用。さらにその資料が指し示す時期に当事者が何をどう考えたのかを知りたくてインタビューを重ねた。
「何もかも『フランスいいね』ということではない。それは実感としてありますし、伝えたいのは、フランスの制度のもととなる発想がどういったものであるかということ。鏡ですよね。フランスを通じて日本の現状を認識してほしい」