寺島しのぶさんが家族で足を運ぶ「原美術館」の魅力。 | 読む・聴く・観る・買う | クロワッサン オンライン
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寺島しのぶさんが家族で足を運ぶ「原美術館」の魅力。

展示替えの度に家族と訪れるという寺島しのぶさんおすすめの「原美術館」。その魅力を教えていただきました。
  • 撮影・三東サイ 文・野路千晶

現代美術を専門とする「原美術館」は、品川の閑静な住宅街の一角にある。元々は実業家、原邦造氏の私邸として1938年に竣工され、1979年に美術館としてリニューアル。20世紀初頭ヨーロッパのモダニズム建築の特徴を取り入れたデザインからは、昭和初期のクラシカルな趣も漂ってくる。

「この美術館を初めて訪れたのは、2007年に行った結婚パーティの下見のとき。モダンな建物と広い庭。一目でその雰囲気に惹かれました」

そう振り返るのは、女優として舞台、テレビ、映画など幅広く活躍する寺島しのぶさん。青々とした芝生が光る美術館の中庭と、そこに面した『カフェダール』は、結婚式やガーデンパーティの会場としても人気。寺島さんにとって原美術館は、作品鑑賞の場としてだけではなく、アートディレクターの夫、ローラン・グナシアさんと挙式をした特別な場所でもある。

『輪舞』 森村泰昌1994年

年に3、4回開催される企画展では、気鋭の若手から中堅、現代美術を先導してきたアーティストまで、国内外の幅広い作品を紹介。寺島さんは新しい展示が始まるたびに家族で美術館を訪れてきたという。

企画展に加え、館内の各所には常設作品がひそかに用意されている。元々トイレとして使用されていた場所には、名画に描かれた人物や歴史上の有名人に扮したセルフ・ポートレートで知られる森村泰昌による鏡張りのインスタレーション作品『輪舞』。そして、2階展示室の一番奥の小さな個室には、強い眼差しを持つ子どもや動物をモチーフにした作品を手がける奈良美智が自身のアトリエをイメージした『МyDrawingRoom』。白いタイルに覆われた自宅を建て、後にそれを壊したというユニークな逸話をもつジャン=ピエール・レイノーが、タイルを空間全体に使用した『ゼロの空間』など、国内外のアーティストが美術館のために特別に制作した作品が顔を揃える。

『My Drawing Room』 奈良美智2004年8月~

作品を楽しむ合間には、中庭を見通すカフェでくつろぐこともできる。この庭は、寺島さんの4歳になる子どもにとってもお気に入りの場所だ。

「息子は、美術館の庭で遊ぶのが好きなんです。子連れでも過ごしやすい環境がうれしいですね。息子を見守りながら、大人たちはカフェでゆっくりする、忙しい日常の贅沢な時間。企画展に合わせたケーキなどの特別メニューも、いつもの楽しみのひとつです」

なおこの中庭にも、現代美術作品は点在。館内の各所にさりげなく置かれた作品との遭遇は、来館者に新鮮な驚きをもたらしてくれる。

「美術館を訪れるときの心身のコンディションが違うからか、それに呼応するかのように、同じ作品から異なるインスピレーションを受けることも。それは舞台作品などにも通じるもので、その折々の自分と作品はまさに一期一会なんですよね。この体験は、表現と向き合う上での醍醐味だと思います」

美術館に併設された『カフェ ダール』。 中庭を眺めながら、企画展にあわせ た特別メニューを楽しんで。

原美術館東京都品川区北品川4・7・25 ☎︎03・3445・0651 11時~17時(祝日を除く水曜~20時、入館は閉館の30分前まで) 月曜(祝日の場合は開館、翌日休館)、年末年始休館入館料・一般1,100円、高校・大学700円、小学・中学500円(学期中の土曜は高校生以下無料)http://www.haramuseum.or.jp

『クロワッサン』935号より

●寺島しのぶ 女優/舞台、テレビ、映画など多方面で活躍。

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