「どこが戦争をして、どの将軍が死んでといった歴史的事実は変えないけれど、表舞台にいないときや無名の人は好き勝手に動かそうという方針です。この時代のゲバラは無名の兄ちゃんだから、割と史実からも自由に逸脱して(笑)。それこそ大量に過去の文献にあたっていますが、歴史書は暗記するような感じ。一方、小説家が書いた自伝や時代小説を読むと、歴史書の内容がすごくよく理解できるようになる。この本もそうなればいいなと思います」
曰く、1950年から20年間の中南米を巡る国際政治を網羅する。すでに200冊を超える関連書を読破し、集めた800冊はまだ増殖中だという。膨大な資料を読み解き、さまざまな伏線を張り巡らせつつ、多くの登場人物を魅力的に描きながら、歴史の大きな流れをおもしろいストーリーにまとめあげる。なんという力技!