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手みやげをひとつ|大心堂雷おこしの特選おこし「古代」

  • 撮影・森山祐子 文・嶌 陽子

雷おこしのイメージが変わった、上品で軽やかな味わい。

「やけに甘いし、べとべとして歯にくっつくから」と、雷おこしに苦手意識を持っていた、落語家の春風亭一之輔さん。数年前、楽屋見舞いにもらったこの『大心堂』の「古代」についても、「正直言って、あまり期待していなかった」という。ところが一口食べてみると、さくっとした食感と上品な甘さに驚嘆。気がつけば、もう一つ、と手をのばしていたそうだ。

厳選したおこし種(米)と落花生、水飴などを用いて作られる「古代」は、あっさりした白砂糖タイプと、コクのある黒砂糖タイプの2種類。「自分から率先して雷おこしを食べたくなったのは、これが初めて」と、今では自宅でも時々食べていて、家族の好物にもなっている。

「ベタッとした甘さじゃないし、小さな米の粒が、ぎゅっと詰まっている感じがおいしいんです。香ばしい落花生もアクセントで、小腹が空いた時にちょうどいい。日本茶もいいけれど、コーヒーにもよく合います。僕はもっぱら、仕事に出かける前、コーヒーと一緒にかじっています。腹持ちがいいですからね」

礼節を重んじる落語家の世界。お中元やお歳暮、年始の挨拶をはじめ、師匠や先輩落語家に稽古をつけてもらう時のお礼など、贈り物をする機会も多い。一之輔さんも、新人の頃から、まわりの人たちのやり方を見たり、先輩に相談したりしながら、数々の手みやげを贈ってきた。

「お酒好きでも家では飲まないとか、奥さんが好きなものは何かとか。お弟子さんに聞いたりしながら、細かくリサーチし、時間をかけて選びますね。値段の高い安いは関係ない。要は気持ちですから」

日持ちがすると同時に、個別包装されていて、大勢でも分けられる「古代」は、家族のいる人の家や、事務所を訪問する時に持って行くことが多いそう。細やかな心遣いで手みやげを選んでいる一之輔さんの、強い味方の一つといえそうだ。

春風亭一之輔さん
しゅんぷうてい・いちのすけ 落語家

2001年に春風亭一朝に入門。 ’12年、21人抜きの大抜擢で真打に昇進。10月27日〜29日、東京・よみうり大手町ホールにて独演会「2016 落語一之輔・三夜」を開催。詳細はhttp://www.ichinosuke-en.com
写真提供・キッチンミノル

たいしんどうかみなりおこし●東京都台東区台東4・28・2 ☎03・3832・0005 FAX 03 3831 3956 営業時間 8時30分〜18時、日曜休。シルバー缶16枚入り 1,760円、簡易包装12枚入り 1,200円など。工場売店(墨田区亀沢4・23・11)でも購入可能。取り寄せ可。
http://www.kodai.jp/

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