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『憲法って、どこにあるの?』谷口真由美さん|本を読んで、会いたくなって。

改憲でも護憲でもなく、まずは“知憲”を。

たにぐち・まゆみ●1975年、大阪生まれ。大阪国際大学准教授。専門は国際人権法、ジェンダー法。非常勤講師を務める大阪大学での「日本国憲法」講義は、”ベストティーチャー賞”を4度受賞。TVや新聞でコメンテーターとしても活躍。

撮影・森山祐子

「憲法の条文は何条まである?」「憲法を尊重して守る義務があるのは誰か?」「そもそも、憲法の全文はどこで読める?」

これらの質問に自信を持って答えられる人は多くないだろう。

「“9条まで”はもちろん不正解。守る義務があるのは実は“国民”ではないし、全文は六法全書だけでなく、インターネットでも読めますよ」と教えてくれたのは、憲法を超初心者向けに解説したこの本の著者、谷口真由美さんだ。

「『憲法って、どこにあるの?』、つまりどこで読めるの?という友人からの問いがすごく衝撃的で、タイトルにしたんです。法学を学んだことのない人には、まずそこから説明せなあかんと気づかされた。憲法改正が議論される機会が増えましたが、私の立場は改憲でも護憲でもなく、“知憲”。まずは知ってもらわないと」

大学でのわかりやすい法学の講義が人気で、各地で講演も行う谷口さん。本書は、生徒や聴講者の実際の疑問に対し、「真由美のひとこと」で答える一問一答形式だ。「憲法って変えてもいいんです

か?」「はじまったマイナンバー制度、危険はないの?」「どうして同性だと結婚できないの?」など、素朴な疑問への回答は明快で痛快。解説には極力かみ砕いた言葉を用い、ユニークな例え話を交えつつ、徹底的に読みやすさを追求した。

「私には10歳と8歳の子どもがいるんですが、その子どもたちやママ友にも通じるように書こうと心がけました。民主主義を解説するのに、学級会での“あるある”を例に挙げたりして。憲法は自分に無関係ではなく、身近なものだと感じてもらえたらうれしい」

さらに、“知憲”についても真由美節が炸裂。こう説明してくれた。

「相手のことをよう知りもせんのに、その人と付き合うかどうかを決められへんでしょ? 憲法だって、まずはよく知らんと、変えたほうがええもこのままでええも言えないはず。結婚相手を顔だけ、年収だけで判断できないのと同じで、9条しか知らんというのもあかん。トータルで見て、完璧じゃないけど妥協できるか、絶対的に許せないところがあるか、という議論をすべきだと思うんです」

法律書なんて……と敬遠している人にこそ、この一冊を手に取ってほしい。憲法は難しい学問なんかじゃなく、私たちの生活の土台になるものだと気づくはずだ。

「家族や友だちと、憲法ってどう思う?と気軽に話せる、そんな世の中になってほしいと思います」

集英社 1,400円
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