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『愛される男の自分革命』ドラ・トーザンさん|本を読んで、会いたくなって。

これからは日本の男性も生まれ変わって!

フランス・パリ生まれ。エッセイスト、国際ジャーナリスト。’92年からNHKテレビ『フランス語会話』に5年間レギュラー出演。現在は「アンスティチュ・フランセ東京」の講師をはじめ、多方面で活躍中。http://www.doratauzin.net/

撮影・武方賢治

「タイトルにある〝愛される男〟には、女性から愛される男性、世界中で愛される男性、そして、自分のことも愛せる男性になってほしい、という3つの願いを込めました」

 来日して25年を迎えたドラ・トーザンさん。これまでパリジェンヌの視点から日本人女性を応援する本を数多く出してきたが、今作は初めてとなる日本人男性への熱いメッセージ。友人やファンから「男性向けの本を」と望む声も多かったのだそうだ。

「日本の男性は好きですよ。とてもやさしいし、感受性も豊かだし、勉強熱心だし、いいところがたくさんあります。でも残念なのが、せっかく日本の女性の美しさや和食などの文化が海外でブームになってきているのに、男性のほうは人気がいまひとつ。もっと国際的なレベルにイメージアップして、広い意味での〝モテる〟男性へステップアップしてもらいたいな、と思ったんです」

〝自分(男)磨き〟〝男女の人間関係〟〝社会や職場の環境〟などどれもが「ナルホド、そうだよね!」と納得できるものばかり。ドラさんのユーモアたっぷりの語り口が冴え渡る。

「とくに感じるのが、家庭での家事の分担。ヨーロッパでもフランスでも家事に対して男女差はありません。もちろん、仕事面においてもまったく平等です。家事は時間があるほうがするのが当たり前。ひとり暮らしには欠かせないのに、日本のお母さんは、娘には教えても男の子にはあまり家事を教えないせいもあるのでは? プライベートな時間に男性はジェントルマンになって女性にもっと褒め言葉を発してほしいと思うのですが、男性がキッチンに立ったら女性も、もっと褒めてあげる必要がありそうですね(笑)」

 来日当初、ドラさんから見ると、日本の社会は堅苦しくて、男性たちがその重圧に押しつぶされていて気の毒に感じることも多かった。

311以降、〝絆〟の気運が高まったでしょ? 友だち関係も夫婦関係も。実は社会全体がもっとリラックスできるように変化すると思っていました。でも、残念ですが実際は何も変わってはいません。きっと日本の男性は、今の社会のシステムの中にいるのが楽なのでしょうね。まだ時間はかかるかもしれませんが、少しずつでもいいので自分革命を行ってほしいと思います」

 もちろん、女性が読んでもタメになるヒントが満載。ぜひ、女性から男性にプレゼントしてもらいたい一冊である。

徳間書店 1,400円
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