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#09 夫への「イラっ!」の下に隠れている、
あなたの本当の感情とは?

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まるまった靴下が床に点在し、食べ物の袋がそのまま置いてある。
戸棚があいたまま、引き出しもあけっぱなし。

クロワッサン倶楽部の読者の皆様のおうちが、そんな惨状になっているはずはないと思いますが(笑)、「帰宅した際に遭遇する自宅あるある」とでも言えるこんな風景は、わりとよくあることでしょう。生活していれば散らかるのは当然だけど、なんでいつもちゃんとしてくれないの? なんて不満はよく聞くのですが、こんな生活習慣の違いって本当にたくさんあります。「家の整理整頓」は個人的な性格が関係している側面ももちろんありますが、「食事の仕方」や「時間の過ごし方」など挙げたらきりがないほど、自分には常識と思っていること他人のそれとはと大きな隔たりがあったりするものです。

私は夫が結婚当初、何も言わずにふらっと出ていくのでとても嫌だなと思っていました。ちょっとクリーニング店に、という外出なので大したことはないのですが、私の実家では父も「ちょっとタバコ買ってきます」などと何かしら声をかけていたので、あれ、パパどこいった? なんてことはなかったのです。こんなことも、嫌じゃない人にとっては全く気にならないことなので、たとえば「何も言わないで出ていくのはやめてよ」と言ったところで「なんで? なんか迷惑かけてる?」と返されてしまい、伝えようにも伝わらない。先程のように、家が散らかっている場合も「片づけてよ!」と言っても、本人には散らかっているという認識がない可能性すらあるんですね。

自分の実家では常識だけど、他ではそうでもない、なんていうちょっとしたことは、他人と暮らすといろいろ見えてきますね。夫婦が暮らしはじめて最初に気付くイライラは、ここを発端とすることが多い。

食器のしまい方、洗濯物のたたみ方、お風呂の入り方など、全て生活に密接にかかわること。こういう小さなことは、ちりも積もれば、にならないうちに、ちょっとずつ共有し変化していかないと、いつしか「顔を見ればイライラする」という夫婦になってしまいます。みんな本来は自分のやり方が好きですからね。

とはいえ、イラっとするとちゃんとコミュニケーションができなくなるものです。なぜなら自分の感じているイライラを正当化しようとすると、相手を悪者に仕立ててしまうんですね。すると、相手は「責められてる!」と感じて「総攻撃だ!」と一気に戦闘モード。小さなネタが、おおきな喧嘩へ。ああ悲しき夫婦喧嘩よ。

Old camera Photo : Miki @ DoubleVisionTokyo
Old camera Photo : Miki @ DoubleVisionTokyo

そんな時に一番大事なことって何だと思いますか? キーワードは「気持ちのシェア」です。イラっとしたときはつまり、怒っているとき。では人はなぜ怒るのでしょうか?

「喜怒哀楽」という言葉がありますが、この4つの感情のうち、「怒り」だけは「二次感情」と呼ばれていて、その下にもうひとつの感情が隠されているそうです。喜んでいるときや悲しんでいるときに、そこに別の感情が隠れているとは考えにくいですよね。ところが、怒りという感情の下には、悔しい、寂しい、とか心配だ、というような、心がぎゅーっとなる感情が隠れているんです。

怒りを相手に伝えるだけでは、あなたの本当の気持ちは伝わらないということです。過去のご自身の数々の喧嘩を思い出してみて。ほら、怒りを伝えてイライラしているだけでは、何も伝わっていないでしょ?

気持ちのシェア、つまり怒りの下にある本当の気持ちを相手に伝えてみてください。その時に、どう伝えていいかわからない人は、前回のコラム(https://croissant-online.jp/column/marriagenote/44490/)でもご紹介した「3感」を使ってみて。おうちが散らかっていたら、あなたはむなしいのかもしれない。勝手にふらっといなくなったら、心配なのかもしれない。そのホントの気持ちを、怒りで包まずに、気持ちを伝えることをぜひ心がけてみてください。

あなたがもし、イラっとしたら、怒りが湧いてきたら。怒りの下の私は、今どう感じているんだろう? 悔しいのかな、寂しいのかな、苦しいのかな? と自分に問いかけてみて、素直な気持ちでその本当の感情をパートナーにシェアして下さい。怒りより数倍も、あなたの気持ちが伝わるはずです。

連載バックナンバーはこちらから。
https://croissant-online.jp/column/marriagenote/

【バナーのハート作品】©️ Koichi Nishimura  https://www.facebook.com/koichi.nishimura

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