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#08 どう反応したらいいかわからない夫達は、
3つの表現方法を使ってみよう!

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日常の小さな気付きから、社会問題まで。行政書士である筆者が、これまで相談を受けた経験と世の中の動きを元に、「夫婦を中心として人間関係を整える」ヒントを伝える連載コラムです。

 

誤解を恐れずに言うと、世の中の活動すべてのことが基本的にめんどくさい、と思っています。人間はそんなに聖人君子にできていませんから、自分を中心に考えたら、やりたくないことがいっぱいある。本来の自分は怠け者であることを自覚してみると、朝早起きして仕事に行くのもホントにめんどくさいし、ご飯作るのもめんどくさい、人と会って会話するのもめんどくさい、仕事の計画を立てるのもめんどくさい…こんなこと書いていたらちょっと辛くなってきました(笑)。

でも、それをあえてするのはなぜか。その先に、めんどくさいを超える「楽しいことがある」って知っているからです。朝早起きすると、気持ちがいい。美味しいご飯を作って大事な人と食べると嬉しい。人との会話が楽しい。

前置きが長くなりましたが、今日は多くの男性が「めんどくさ!」と思っているであろう会話、「感情のやりとり」についてお話したいと思います。

前回取り上げた、コミュニケーションの3つの形。起こった出来事を伝えるだけの「事実の通知」はそう難しくないけれど、その次の「感情のやりとり」になると、ちょっとだけハードルが上がるようです。物事に共感を示しやすい人にとっては、何のことはない、ただ聞いた事実に反応しているだけなんですが、そうでない人にとっては、いちいち反応するのは「めんどくさい」ことかもしれません。そんな時はぜひ、「3感」を試してみて。

1.感嘆
2.感情
3.感想

3つの「感」なので3感、です。

例を挙げますね。「今度の週末、こんなイベントを見つけたんだ。行ってみない?」と言われたとき。「そう、いいよ」なんて答えてた人は、3感を使ってこんな風に答えてみて。

「へえー!面白そう。とてもいいと思うよ、行こうか」

最初の「へえー!」が感嘆です。「おお!」とか「凄い!」とか、びっくりマークがつくような、思わずもれる言葉、というようなイメージです。次の「面白そう」が感情。最後の「とてもいいと思うよ」は感想。その結果「行こうか」に繋がるのですね。

Breeze Photo : Miki @ DoubleVisionTokyo
Breeze Photo : Miki @ DoubleVisionTokyo

こうやって分解してみると、なるほど!と思う反面、逆に「うわ、めんどくさ」って思うかもしれません。でも3感に気をつけてみると、結構会話って続くんですよ。会話は、よく「キャッチボール」なんて言われますが、毎回内容を「受け入れる」必要はなくて、本来はボールのように「受け止める」だけでいいんです。だから、受け止めたよ、という気持ちを伝えて相手に返すだけ。その気持ちがいつもプラスの言葉である必要もなく、たとえマイナスの言葉であっても、そこから次のボールのやり取りにつなげればコミュニケーションはずっと続きます。

以前見たドラマで、女性のするどうでもいい話を乗り切るときは、山手線の駅名を一つずつ思い浮かべて、ターミナル駅あたりで「なるほど」とか「確かに」と相槌を打つ、なんてシーンが描かれていました。うまいこというなあと感心もしましたが、その場だけを乗り切る「山手線スタイル」よりも、「3感」を使ったほうがそれよりもよっぽど有効です。相手が大事な人ならなおさらね。

分かってほしいし、聞いてほしいから、人は誰かに話をするのですから「受け止めたよ、聞いたよ、自分はこう思うよ」と相手に伝えたら、相手もちゃんと満足してくれるはず。やり取りが続いてお互いが共感するポイントがあると、会話はとたんに楽しくなるものです。それを見つけるために会話をすると言ってもいいくらい。相手の反応を見ながら、共感したり反発したり、という感情をやりとりして続けていくという、人間関係を作っていくとても大事なツールが会話なんですね。

とはいえ、先日全く興味のない自分の話し(多くは自慢話にしか聞こえない)を延々と続ける方(男性)に、1時間をすぎたあたりで3感を使いつつ、満足して切り上げてもらおうと思っていましたが通じず。最後には「山手線スタイル」で「定型的」な相槌を打って、こちらには興味がないことに気付いてもらおうと思ったのですが、これも通じず。結局、私の貴重な時間を2時間も奪われてしまいました。あとから「大変楽しい会話でした」というメールを頂きましたが、あれは会話とは言いません。一方通行です。多分、その方は人に共感する、ということを知らないのでしょうね。

みなさんのご主人が、こんな会話をする残念な人にならないよう、3感を使ってキャッチボールを楽しむ会話術を、そっと教えてあげてください。よろしければ、その感想もぜひお待ちしております!

連載バックナンバーはこちらから。
https://croissant-online.jp/column/marriagenote/

【バナーのハート作品】©️ Koichi Nishimura  https://www.facebook.com/koichi.nishimura

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