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【親の資産管理術】デリケートな対応が必要。親の資産を知るための会話術。

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前回は、親の資産管理術の必要性について考えました。

長寿時代だから必要です、親の資産管理術。

今回は、具体的な会話術について。

親世代は、個人差もありますがだんだん判断力が落ちてくる頃。何度も同じ話をするようになり、頑固さも増します。昔の親子関係のままに、思っていることをそのまま口にしたら、親が機嫌を損ねるのは確実! とくに資産の話には、デリケートな対応が必要です。

ファイナンシャルプランナーの北見久美子さんに、注意したい項目を伺いました。

会話するときの注意点

・声を荒らげるのは禁物。声の出し方や言い方をフラットにする。
・衝撃的な話を親がぽつりと切り出したときも、「ああ、その◯◯ね」と相槌を打って、話しやすい雰囲気をつくる。いきなり問いたださない。
・「家のことで気になる筒所がある」とか「修理をしなくては」と心配事を言い出したら、そのことについて、自ら率先して動いてみる。
・可能であれば、振り込め詐欺に狙われやすい平日の日中に、定期的に“声”を聞かせてあげる。

「インタビュアーの気持ちで話を聞くのがポイントです」と北見さん。適切な持ちかけ方を具体例から学びましょう。

 


case1.
◯「金額は書かなくていいから、持っているもののリストがわかると助かるわ」
× 「どこにあるか教えておいてくれないと葬式を出す時にも困るのよね」

エンディングノートを自らまとめる適齢期は65歳前後。この年齢を超えると、子どもが促して書き始めるきっかけづくりをしたほうがいい。自分がまとめやすいノートを探して、中にある財産記録のリスト化を、いっしょに少しずつ、始めてみてはどうでしょう。

case2.
◯「結婚したころの話を聞かせて」
× 「お金はどうなってるの?」

いきなりお金の話はしないように。まず、親自身に関心を持って、昔話からアプローチを。親は話を聞いてもらうのがうれしいもの。否定せずに、「そうだよね」「よくがんばったよね」「大変だったよね」と共感を示す言葉を添えて。これは義父や義母にもも使えます。

case3.
◯「子どもの頃の写真を探させてね」
× 「だらしないわね。引き出しの中くらい、整理しといてよ」

引き出しの中は、証拠の山。冷蔵庫のドアを聞けてちゃんと食べているかどうかを語認するのと閉じ気持ちで中をチェック。高頭な領収書や返済明細が記載された書類、銀行や証券会社など金融様聞からの明細などが見つかれば、興味を示して中身を見せてもらいましょう。

case4.
◯「私も投資に興味を持っているんだ」
× 「変なもの、買ってるんじゃないでしょうね!」

金融機関は投資商品を購入すると、年に2回程度、預かり明細を送ってきます。その内容を見ることができれば、親の金融機関とのつきあい方が推測できます。見つけたときはいきなり叱るようなことはせず、興味を示して周辺の話から、詳しく聞き出していくのがいいです。

case5.
◯「大変だった?どうしてリフォームしようと思ったの?」
× 「悪い業者に騙されたんじゃないの!?」

リフォームの形跡を見つけたときは、責めるのではなく、家に対する親の思いを聞く機会だと捉えましょう。家の心配事を聞いておくことは後々のトラブルを防ぐことにもなります。土地の境界線が暖昧になっていて、子の代でトラブルになることはよくあるケースです。

 

話し方ひとつで人間関係は劇的に変わります。親のプライドを傷つけないよう気を付けて、これを機によりよい関係を築いていきましょう。

『クロワッサン』895号(2015年2月15日号)より

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