オリジナリティあふれるメイクメソッドを確立している山本浩未さん。「私は、『折山を作る』って言っているのだけれど、たとえば西洋人は頭を上から見ると、ラグビーボールみたいに前後にカーブしていますよね。でも、日本人は四角くて平べったい。だから、紙を折るように、顔にも折山を作ってあげる、つまりエッジを立ててあげればいいんです」
エッジは、〈ハイライト〉と〈シェイディング〉の組み合わせで立てられる。明るいところと暗いところの差、その境目が折山というわけだ。まず〈ハイライト〉のテクニックを山本さんに教えてもらった。「覚えておいてほしいのは、ハイライトは〝効かせる〟ものであって、ファンデーションのように〝ぬるもの〟ではないということ。ですから、面積の大きいところは、ふわっと。面積の小さいところは、さっと」
使うのは、できるだけ専用のブラシを、と山本さん。「なぜなら〈ハイライト〉は、広く入れすぎると、顔の幅が広く見えたり、顔全体がぼやけた印象になったりするからなんです。ですから、小回りが利くように、質がよくてやわらかく、幅の狭いブラシがおすすめ。誰でも上手に、失敗なく入れられるからです」
下の2枚のイラストを見てほしい。
「丸顔の人は、顔がヨコに広がって見えないように、タテ長にハイライトを入れます。額から鼻すじ、鼻の下、あごまでまっすぐの中心線を作るようなイメージです。タテのラインを強調して、丸顔から、卵形のフェイスラインを作っていくような気持ちで」目の下の〈ハイライト〉も、タテに長い二等辺三角形を描くように。「一方で、面長の人は、顔がよけいに長く見えてしまわないよう、タテのラインは短めにします」
逆に、額はややヨコ長に入れることでヨコ幅を広げて見せる。「鼻すじは通しません。入れるなら、目頭くらいで止めること。目の下は、ヨコに長めの逆三角形を描き、唇の上にはさっとひとはけ。あごの先は入れません。顔の長さが強調されてしまいます」