「肌は内臓のバロメーター。不調があれば肌は荒れてきますし、健康なら滑らかでハリのある状態に。健やかな肌を保つためには内側からのアプローチが重要だと思います」
薬膳ベースの韓国料理が人気のコウ静子さんは40代。肌はツヤツヤ、ピンと張っている。
「韓国の家庭では、女の子によくいう言葉があるんです。“棗(なつめ)を見過ごすようではきれいにならないよ”。私も子どものころ母から“棗を見たらひとつ食べなさい”といわれてきました。学校から帰ると食卓の上に赤茶色の干した棗がいつもあり、それをおやつに食べていました」
棗は漢方では重要な果実で、乾燥させて使用することが多い。
「生薬としてよく使われます。身体の冷えを取り去り、筋肉の緊張を和らげてくれる効果があります。鉄分やカルシウム、マグネシウムなども豊富で、貧血改善やトゲトゲした気持ちを落ち着かせて、リラックスさせる効果も望めます。造血のビタミンといわれる葉酸も豊富なので、血液を補うことができ、女性にはありがたい食材なんです」
冷えが改善され、血のめぐりが順調になると、肌荒れなども解消され美白の肌になってくるという。
「棗と同じぐらい韓国で女性にいいとされる食材はヨモギ。春になって店先に出回ると、塩茹でにして上新粉ともち粉、塩を入れて練り、蒸して花型を押したヨモギ餅を作ります。伝統的な韓国のお菓子で、これを作ると春が来たと感じるんです」
コウさんは1年分のヨモギを購入し、塩茹でした後に冷凍保存。乾燥させたものはお茶や料理に活用する。
「バスソルトに混ぜて入浴剤にすることも。香りもよくて、肌もツルツルになりますよ」
内側から美しくなれば、肌のターンオーバーも促され、自然に美白に。それを実践しているコウさん。
「食をおろそかにしないことが、肌にとって大切なケアだと思います」