ビューティー

美肌対談【後編】美肌を作る、
積極的な温めケア。

年齢を感じさせない、美肌の持ち主の秘密とは? オハルクリニック院長・小柳衣吏子さんと美容エディター・松本千登世さんの対談で見えてきたのは、たるみと冷えの深い関係でした。
  • 撮影・青木和義 ヘア&メイク・中台朱美(松本さん)、高松由佳(小柳さん) 文・小林良子

松本千登世さん(以下、松本) 小柳さんの日頃のお手入れのこだわりは?

小柳衣吏子さん(以下、小柳) ボディスクラブやボディローションでのボディケアを、末端から心臓へ向かって行います。マッサージではないですが、肌に触れるとリンパや血液が促されるので、その効果を狙って。

松本 以前、取材をした美容家の方に「顔と体はつながっているから、顔だけでなく、体もきちんとケアして」と、聞いたのを思い出しました。美肌を目指すならば、体の血流を高めていくアプローチも欠かせませんね。

小柳 さらには、体の内側からも。私が毎朝いただくのは、年じゅう温かい緑茶やコーヒーですが、松本さんは?

松本 そういえば、私も季節を問わず温かい飲み物を選んでいます。デスクワークの時も、緑茶やほうじ茶。

小柳 やはりダイレクトに体内を温めてくれますよね。

松本 はい。仕事で座りっぱなしで寒い時は、足元にレッグウォーマーをつけたりもしますが、それに甘えすぎず、ストレッチなどを合間に行って自力で温かくするようにしています。

小柳 動くことはすごく重要。女性はそもそも筋肉量が少ないこともあって冷えやすいのですが、きちんと運動している人は冷えにくいと思います。

「日々の温めは、若々しさにつながりますよね」と松本千登世さん。

松本 小柳さんは何か運動を?

小柳 週に1度ホットヨガに通っています。約40℃の室内で大量に汗をかくのでかなりハード(笑)。スッキリするのでストレス解消も兼ねて続けています。

松本 私が唯一やっていることといえば、ウォーキング。週末には必ず、1万歩以上は歩くようにしています。

小柳 歩くことは血流を良くする意味でも有効。1日20分以上歩く人は、健康寿命が長いとも言われていますし。

松本 寒い日は「嫌だな」と思うこともあるんですよ(笑)。でも、歩くと手足がすぐに温かくなるほうなので、えいっと頑張っています。

小柳 私も普段は時間がなくてついタクシーに乗りがちなのですが、ホットヨガの行き帰りだけは歩くと決めています。ここだけはっていう自分のルールをつくるのも手ですよね。

松本 でも普段から歩数計をつけるようになって、仕事でほとんど動かずに「560歩……」みたいな日があるとショックを受けますけど(笑)。

小柳 でも、レコーディング(記録)は大事。歩数が少なければ、明日は出かけようという励みにもなります。

松本 そうですね。以前なら道を間違えるとイライラしていたのが、その分歩けたからいいかって許せるように。歩数計が自分を〝いい人〟にしてくれているような気がします。

「女子力をめいっぱい高めて、ぜひ活動的に」と小柳さん。

小柳 それにひとつアドバイスするとすれば、歩きながら使う太腿とお尻の筋肉を意識して。アスリートが実践している方法なのですが、非常に効果が高まりますよ。

松本 ほかに大切にしていることでいえば、私は睡眠。充実した睡眠こそが日中のパフォーマンスや人生の質まで高めてくれると思うので。

小柳 同感ですね。睡眠だけは、補える薬がありません。特に就寝後3時間は、美肌にも関わる成長ホルモンが分泌される時間なので、寝入りを良くすることが肝心です。

松本 ですよね。だから夜はPCのブルーライトは避け、部屋を暗くしたりときにはホットアイマスクを使ったり。ここでも冷えていると、寝付きが悪くなりますから、入浴も味方に。

小柳 体温が下がる時に寝入りが良くなりますからね。就寝の1時間前くらいに体を一度温めて、就寝時に体温を下げるようにするのが賢い方法です。

松本 入浴といえば、私、炭酸入浴剤が好きで。滞りを感じたら、全身のめぐりを良くするつもりで贅沢に1本使いすることもあります。

小柳 炭酸は治療でも使われるほどで、本当に良いですよね。普段は香りで入浴剤を選んだりもしますが、私も試そう! それにしても入浴は、免疫に関わるヒートショックプロテインの働きを高めるなど、体を芯から温めることによる効能がいろいろあります。

松本 日々の生活は大切ですが、それに加えて、個人的には楽しく、笑顔でいることも大事なように思います。

小柳 笑うことは、たるみ予防に良いですよ。顔の筋肉は年齢とともに、上に上げる頬骨筋などよりも、下に下げる口角下制筋などのほうが強くなっていく傾向がありますから、笑顔を意識して、ぜひ鍛えてください。

松本 それは、すごい説得力。楽しみながら取り入れたいですね。

小柳 そう。笑顔で、薄着の繊細なオシャレを楽しんで、活動的に歩いて、体を温めて。いくつになっても女子力の高い過ごし方で、たるまない人を目指してほしいですね。

体の内外から冷え予防。 小柳さんの対策アイテム。

左・ボディスクラブL ムスク5,093円(SABON Japan☎︎0120・380・688) 右・クナイプ グーテナハトバスソルトホップ&バレリアンの香り850g 2,400円(クナイプ☎︎045・620・9979)

九州の緑茶の中でも、星野村に伝わる伝統的な技法で作られる最上級品。奥深い味わいと、香りや色の美しさを楽しめる。GI認定八女伝統本玉露[稀]50g 3,500円(星野製茶園☎︎0943・52・3151)

アオハルクリニックのたるみ治療に使われるタイタン。近赤外線領域の光を利用して、肌の弾力を担うコラーゲンを修復。施術に痛みはなく、温かさを感じる程度。(アオハルクリニック☎︎03・5786・1152)

『クロワッサン』938号より

●小柳衣吏子さん オハルクリニック院長/1972年生まれ。皮膚科、美容皮膚科医。日本抗加齢医学会専門医でもある。12月に独自の美肌論をまとめた初の著書『美肌の王道(仮)』(日経BP社)を上梓予定。

●松本千登世さん 美容エディター/1964年生まれ。女性誌を中心に執筆。美容の枠を超え、美の本質を語るコラムにファンが多い。近著に『結局、丁寧な暮らしが美人をつくる。今日も「綺麗」を、ひとつ。』(講談社)。

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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