額や目尻にシワが、と思っているうちに、ほうれい線がくっきり。さらに目の下が窪み、あごのラインにもたつきがーー始まったら止まらない。たるみは、時とともに雪崩のように押し寄せてくる、と福辻鋭記さんは言う。
「たるみの一番の原因は筋肉の衰えです。筋肉は鍛えていなければ、20歳頃がピークで、あとは年々衰えます。一方、顔の筋肉は鍛えるのが難しく、皮膚も加齢によって緩むので、その下にある衰えた筋肉や脂肪の重さを支えきれず、どんどん下垂していくのです」
それだけではない。頭皮のたるみが、顔の雪崩たるみに、追い討ちをかける。
「頭皮の下にも、うっすらとした脂肪と筋肉があり、それが顔の方向にたるんで落ちてきます」
頭皮が1ミリたるむと顔が1センチたるむといわれるくらい、頭皮のたるみは顔に深く影響している。
「顔のマッサージをしてたるみが改善されたと喜んでも、すぐに戻ってしまうのは、顔だけをマッサージするからです。頭皮と、それを引き上げている背中に続く筋肉、僧そうぼうきん帽筋も刺激しなければなりません」
僧帽筋は、首の後ろ側から、肩を通って腰の上まで続く大きな筋肉。後頭部で頭皮を引っ張っているほか、首の前面で顔の筋肉を支えているため、僧帽筋が加齢により硬くなったり緊張したりすると、筋力が弱まり、必然的に顔がたるんでくる。
福辻さんの治療院は、モデルや女優が「明日、撮影だから、顔を引き締めて」と駆け込んでくることでも有名。顔だけの施術よりも効果が持続するという。それ、自分でもできませんか。
「簡単な方法がありますよ。顔、頭皮、肩、首、背中を一通り行う必要がありますが、5分もあれば完了します」
また、加齢により内臓が下垂してくることも、顔のたるみの要因になる。そこで、内臓を引き上げる方法も伝授。首や肩の凝りや内臓下垂にも役立つから、毎日続ければ全身の若返りに繋がる。さっそく今日から始めよう!