ビューティー

ビューティ対談③|「喜び上手になることが、老けないための秘訣」。

大切なのは「どう若く見せるか」ではなく、「どう生きていくか」です。大人の美容の根底にあるテーマ、お届けします。
  • 撮影・青木和義 スタイリスト・春原久子(倉田さん、津田さん)、佐藤智春(黒川さん) ヘア&メイク・遠藤芹菜(倉田さん)、尾花ケイコ(津田さん) 文・石飛カノ

おばさん化の原因には、 同年代の女性も絡んでいる?

40代、50代になっても若々しい人と、そうでない人の違い。つまり「年齢から自由な人」と「おばさん」の違いとは? 美容ジャーナリストの倉田真由美さん、脳科学コメンテーターの黒川伊保子さん、皮膚科医の津田攝子さん、同年代の3人にそれぞれの立場から語り合ってもらいました。

写真左から美容ジャーナリストの倉田真由美さん、脳科学コメンテーター黒川伊保子さん、皮膚科医の津田攝子さん。

倉田真由美さん(以下、倉田) 男性が女性を女扱いしないということもありますが、女性にいませんか? 女性同士で一緒に努力をするのではなく、一緒に落ちていきましょうという人たち。スポーツクラブ等で会話を聞いていると、大丈夫よ、そんなに無理しておしゃれやメイクやスキンケアをしなくても、こっちのほうが面倒くさくなくていいわよ、という女性もいて。

津田攝子さん(以下、津田) 大丈夫じゃないですよね(笑)。

黒川伊保子さん(以下、黒川) 人は美しくなるために美しくなることはできないんですよね。だから、最初の一歩は何か別の目標を見つけたらいいんじゃないでしょうか。

津田 それが多くの人にとっては、同窓会なんですよね。

黒川 えっ!?

津田 本当に、一番の勝負どき、ここは頑張るぞというのが同窓会。

倉田 わかります。それで頑張りすぎると大変なことになってしまう(笑)。普段からやりつけていないからだと思うんですけれど。

津田 それでまた、同窓会で「○○ちゃん、老けたね」と言われる。クリニックの患者さんの中には、そう言われるのをものすごく恐怖に感じている方もいらっしゃるんです。

黒川 ひどい話。

倉田 女同士、脚を引っ張り合う。誰かは苦労して大変そうだけど、私は幸せなほうと安心したいのかもしれないですね。

「美容だけでなく、 コミュニケーションも 老けない秘訣」と津田さん。

黒川 同窓会ではなくて、たとえば絵を習うとかデザイン学校に通うとか。若い子と一緒だからちょっとカッコよくしようと白いシャツを着てポニーテールにして絵を描く自分をステキと思うとか、そういうのはダメですか?

津田 すごくいいと思います。何かに好奇心をもったり新しいことにチャレンジしたりする、気持ちの若い人は老けないものですよね。それを面倒くさがってしまうと、体も心もだんだん老けていくんだと思います。

喜び上手になることが 老けないための秘訣。

倉田 私、観劇が趣味なんですけど、周りを見ていて若々しい人と老けて見える人ってこんな違いがあると思うんです。評論家になってネガティブなことしか言わなくなるのが老けて見える人。

津田 辛口評論家みたいに批判しかしない人ですね。

倉田 そういう人はおばさんぽくなりやすい。若々しい人はいいところを見つけてポジティブな意見を言うことが多いです。

黒川 それは喜び上手ということですね。100のうち99ダメでも1いいことを見つける、という。

津田 食事会の席でもそうじゃないですか? ネガティブなことを言う人はダメなところから指摘しがち。

黒川 私は「このお皿、センスがいいですね」とか、「いいタイミングでお水をもってきてくれてありがとう」と店員さんに声をかけるようにしています。

津田 そうすると店員さんもニコニコして大事にしてくれますよね。それはコミュニケーション上手ということ。これもやっぱり老けない秘訣だと思います。

「ネガティブな人と ポジティブな人では 老け方が違うような」と倉田さん。

倉田 そうですね。たとえスーパーのおじさんでも近所のおばさんとでも、コミュニケーション上手になる。

津田 そこだと思うんです。シミやシワがあるから顔を見られたくないと仏頂面でいたら誰も話しかけてくれません。だから本人が自信をもって気分がよくなる美容だけはしたほうがいいということ。顔の造形の話ではなくて、顔の表情が生き生きしているかどうかが大事。

『クロワッサン』932号より

●津田攝子さん 皮膚科医/津田クリニック副院長。肌トラブルに悩む患者の立場にたって開発したスキンケアブランド「TSUDASETSUKO」が人気。クリニックには全国から患者が通院している。

●黒川伊保子さん 脳科学コメンテーター/人工知能の開発に従事したのち、2003年、(株)感性リサーチを設立。近著は『「ぐずぐず脳」をきっぱり治す〜人生を変える7日間プログラム』(集英社)より8月26日発売。

●倉田真由美さん 美容ジャーナリスト/30年以上のキャリアを持つ、美容ジャーナリストの草分け的存在。コラムの執筆、トークショーなど幅広く活躍。本誌連載「最新私的コスメ図鑑」も多くの読者に支持されている。趣味は宝塚観劇。

対談①はこちら

対談②はこちら

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