ビューティー

翌朝の肌がにごらない、
夕食の摂り方がありました!

朝の美肌を生む秘訣は夕食の食材に。肌トラブルを解消する効果的な献立を、管理栄養士の大島菊枝さんに教わりました。

夜眠っている間に、体は食事で摂った栄養素を使ってさまざまな基盤を作っています。肌もそのひとつ。肌トラブルに効果がある食材を夕食に取り入れることで、翌朝からの肌の状態が改善されることが充分に期待できます」と、管理栄養士の大島菊枝さん。

そのために夕食では、糖質と脂質は控えめに。たんぱく質と、鉄やカルシウム、マグネシウムなどのミネラル、ビタミン類をたっぷりと摂る。それに、くすみやクマなら鉄分、乾燥肌ならビタミンAといった具合に、肌の悩みに応じて効果のある食材をプラスしていくといいそう。

「鉄分が体内で使われるのは朝がピーク。足りないと、朝起きた時に肌がくすんでいたりクマができたりします。前の日の夕食でしっかりと鉄分を補給することで、それが避けられます。夕食は、肌を作るものを意識して食べるのが、翌朝の美肌の秘訣です」

夜に消化の悪いものを食べると、寝ている間もずっと腸が働き続けるので腸内環境が乱れ、眠りも浅くなる。それが吹き出物などの肌荒れの原因にも。

たとえば玄米や雑穀米は栄養価が高い優れた食材だが、消化が悪いのでなるべく昼間に食べたほうがいいと大島さんは言います。

「肌の新陳代謝であるターンオーバーは、平均28日周期。くすみ解消など即効性がある食材もありますが、肌の状態は毎日少しずつ改善されていくので、内時計を整える食習慣を持つことが健康と美容につながるとする時間栄養学の観点からみると、夕食はその日の朝食から14時間以内に済ませるのが理想。遅い夕食だと体内時計が夜型に引っ張られ、肌にも悪影響が。不規則は避け、寝る3時間前には夕食を食べ終える習慣が美肌を生みます」

今回は、大島さんが提案する、肌の悩み別に効果が期待できるレシピを紹介。ぜひ今日から夕食の献立に取り入れてみては。

翌日の肌を作る夕食に、肌トラブルに効果的な食材を取り入れて。

くすみやクマの一因となる貧血対策として、鉄分を充分摂れる献立を。吸収率のよいへム鉄は牛肉で。あさり、ごまなどには吸収されにくい非へム鉄が含まれるが、これはトマトやカボチャに豊富なビタミンCと一緒に摂ることで吸収率がアップする。葉酸も足りなくなると貧血になるので、豊富に含まれるあさりやアスパラガスを取り入れたい。アスパラガスを味噌汁にすることで、水分に溶け出た葉酸も摂ることができる。

顔周りの血流が悪いと酸素が行き届かず、こちらもくすみの原因に。生姜を加熱すると生成されるショウガオールは血行を促進する作用がある。体を芯から温めしっかり眠れるので、夕食には必ず加熱して使いたい。

また、睡眠不足は肌トラブルの原因になりやすい。若返りホルモンとも呼ばれる成長ホルモンは、深い眠りのノンレム睡眠時に1日の70%が分泌されると言われている。ある程度血糖を上げたほうが眠りに落ちやすく、しっかり眠れるので、夕食には適量の白飯を。

くすみ対策には、鉄分をたっぷり摂って、貧血を解消。 血行促進効果の高い食材もプラス。
くすみ対策には、鉄分をたっぷり摂って、貧血を解消。血行促進効果の高い食材もプラス。
牛肉とあさりのトマト蒸し煮
材料(2人分) あさり300g、牛切り落とし肉100g、プチトマト6個、太白ごま油大さじ½、生姜の薄切り3~4枚、酒⅓カップ、ナンプラー大さじ1、胡椒少々、香菜20g

作り方 
1.あさりは砂出しをして水で殻と殻をこすり合わせるようにして洗ってざるにあげる。
2.生姜は千切りにする。トマトはヘタを取る。香菜は3㎝長さに切る。
3.フライパンに油を入れて熱し、牛肉、生姜を入れて強めの中火で炒める。肉の色がほぼ変わったらあさりを加えて炒め、全体に油がまわったら酒、ナンプラー、胡椒、トマトを加え、煮立ったらふたをして中火で3~4分煮る。
4.器に盛って香菜をのせる。好みでレモン汁をふってもOK。

かぼちゃのごまあえ
材料(2人分) かぼちゃ180g(正味)、A[だし汁大さじ2、醤油小さじ2、砂糖小さじ½、白すりごま大さじ1]
作り方 
1.かぼちゃは1㎝の厚さに切ってさらに3~4等分に切る。
2.ボウルにAを入れて混ぜる。
3.鍋に水½カップ、かぼちゃを入れ、ふたをして中火にかけ、煮立ったら弱火にして5分ほど柔らかくなるまで蒸し茹でにし、ふたを少しずらして水気を切る。
4. 2に3を加えてあえる。

アスパラと新玉ねぎの味噌汁
材料(2人分) グリーンアスパラガス2本、新玉ねぎ小½個、だし汁2カップ、味噌大さじ2
作り方 
1.アスパラは皮をむき、斜め2㎝幅に切る。玉ねぎは薄切りにする。
2.鍋にだし汁を入れて熱し、煮立ったら玉ねぎ、アスパラを加えて弱火で1~2分煮て、味噌を溶き入れてひと煮する。

白飯 適量(100g前後)


 

乾燥肌対策には、鶏肉と卵でアミノ酸をしっかり摂取。
ビタミンAで、肌の新陳代謝を正常に。

乾燥肌は、角質代謝不良と保湿因子不足が原因のひとつ。天然保湿因子(NMF)の原料となるアミノ酸を豊富に含む鶏肉と卵で対策を。鶏肉に含まれる動物性ビタミンAのレチノールには、角質代謝(ターンオーバー)を正常に行わせる効果も。消化をよくするため、鶏ひき肉を使い、ニラは加熱する。くるみに豊富なα -リノレン酸は正常な細胞膜を作るのに必要。ビタミンB₁、B₂は代謝を促進。なめこの水溶性食物繊維が腸内を整え、粘り気のもとのムチンには優れた保水性がありヒアルロン酸の原料になるといわれている。

乾燥肌対策には、鶏肉と卵でアミノ酸をしっかり摂取。ビタミンAで、肌の新陳代謝を正常に。
乾燥肌対策には、鶏肉と卵でアミノ酸をしっかり摂取。ビタミンAで、肌の新陳代謝を正常に。
鶏肉のニラ卵炒め
材料(2人分) 
鶏ひき肉100g、ニラ100g、卵2個、太白ごま油大さじ1(小さじ2と小さじ1)、酒大さじ2、塩小さじ⅓、胡椒少々
作り方 
1.ニラは3㎝長さに切る。
2.フライパンに油小さじ2を入れて熱し、溶き卵を流し入れて箸などで大きく混ぜ、卵がほぼ固まったら取り出す。
3.フライパンに油小さじ1を足してひき肉を入れて中火でほぐすように炒め、肉の色が変わったらニラを加えてさっと炒める。
4.卵を戻し入れて全体に炒め、酒、塩、胡椒を加えて炒め合わせる。
豆苗と菜の花のごまくるみあえ
材料(2人分) 豆苗1パック、菜の花50g、A[ローストくるみ10g、練りごま大さじ1½、醤油大さじ½、砂糖小さじ1]
作り方 
1.くるみはビニール袋に入れて麺棒などで細かく砕く。
2. 1と残りのAをボウルに入れて混ぜる。
3.豆苗は根元を切って長さを2等分に切る。菜の花は蕾と葉、茎に分けて、茎は太ければ縦に2等分に切る。
4.鍋にたっぷりの湯を沸かし、菜の花を入れて色よく茹でて取り出し、続いて豆苗を入れてさっと茹でて取り出す。共に水に取って冷まし水気をよく切る。
5. 2のボウルに4を加えてあえる

なめことわかめの味噌汁
材料(2人分) なめこ50g、塩蔵わかめ50g(もどした分量)、だし汁2カップ、味噌大さじ2
作り方 
1.わかめはたっぷりの水で戻して水気を切り食べやすい長さに切る。なめこはざるに出して水でさっと洗う。
2.鍋にだし汁を入れて熱し煮立ったらなめこ、わかめを加えて味噌を溶き入れてひと煮する。

白飯 適量(100g前後)


 

◎大島菊枝さん 管理栄養士 東京農業大学卒業。時間栄養学の観点から、美容や健康に効果的な食事を提唱。著書に『朝ごはんはすごい』(ワニブックス)など。

『クロワッサン』924号(5月10日号)より

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