ビューティー

若々しい肌作りに必要なのは
メイク前のクリームスキンケア。

メイクアップアーティストの吉川康雄さんのメイクは、誰でも似合って、しかも簡単。秘訣は、自分の持っている色や形を生かすこと。まずは若々しい素肌感メイクを実現するために必要なスキンケアを教えていただきました。

 
「自分の肌の変化に、早く気づけたほうが得だよね」と、メイクアップアーティストの吉川康雄さん。

「肌の年齢に伴う変化に気づき、それを受け入れた上で自分の肌を生き生きと見せるメイクが理想です。メイクの目的は、素肌を塗り隠すのでなく、健康的に見せること。3年前の自分に戻ろうとせず、今の自分を最大限輝かすことが大切」

吉川さんのメイク法は、もともとの肌を生かしながらも、若々しく見せることが特徴。

「メイクで別人になろうとせず今の自分を生き生きと輝かせて」と吉川さん。

「メイクで別人になろうとせず今の自分を生き生きと輝かせて」と吉川さん。


「一番大切なのは、ツヤ感です。大人の肌は、一度膨らんだ風船が、少しずつ萎んできたような状態。マットな質感だと、シワやたるみが余計に目立ってしまう。でも、メイクでツヤを与えさえすれば、それらは気にならなくなりますよ」

 

若々しく、トレンド感のある素肌感メイク。しかし、大人の肌は皮脂の分泌が少ない。メイクでツヤを出すのは難しいのでは?

「そんなことはありません。誰でも簡単にできます」

まず、しっかりとスキンケア。そして、その上から重ねるファンデーションが重要です。

「大人の肌には、自然な皮脂感が出るオイルベースのファンデ。無理にツヤを出そうとパールやハイライト入りのアイテムに頼りすぎると、本来光を受けないはずの部分にツヤが出てしまい、不自然な質感になってしまうので注意して」

ツヤを出せても、大人の肌には隠したいシミ、色ムラ、毛穴などの困難が立ちふさがるものですが……。

「肌悩みは、隠しきらなくてもきれいになります!」と、吉川さんは断言。

普段のメイク中、つい顔のすぐ近くで鏡を見がち。気になる部分が嫌でも目に入り、消したくなる。

「老けて見える原因のひとつが、気になる部分を消しているうち、顔全体を塗りすぎてしまうことです」

吉川さんは、ある程度、鏡を離して顔全体を見るように勧めます。

「その距離でも、まだシミが気になりますか?」

顔を正面でなく、斜め上、横からと、人の視線を考えた角度で見る、小さなシミより全体像が大切とわかる。

顔を正面でなく、斜め上、横からと、人の視線を考えた角度で見る、小さなシミより全体像が大切とわかる。


合わせ鏡や三面鏡で、横や斜めもチェックすることが重要。正面はきれいでも、メイクが浮いて見える角度があるかもしれません。

「ですから、メイクは頑張りすぎないくらいがちょうどいいんです」

とはいえ、カバーしなくていいと言っているわけではありません。50%ほど隠せば充分と吉川さん。

「ツヤのある肌に仕上げてさえいれば、ハリがあるように見え、美肌が肌の気になる点をカムフラージュしてくれるんです。ですから普段はファンデ、チーク、眉だけでも充分」

素肌感のあるメイクのために、必要なスキンケアとは?

「朝、メイク前にクリームで肌にツヤをもたらすこと。日本人は、皮脂を取りすぎている肌が多いんです。スキンケアの最終目標は〝美しいスッピン〟であり、そのあとのメイクの役割はあくまで〝補整〟なんです」

メイク前に肌をしっかりうるおわせておけば、ファンデーションが少量ですむので、より素肌に近いメイクが可能となる。スキンケアとメイクが同じ方向を向いた先に素肌感メイクは存在するのだ。そして、ファンデーションの目的を、吉川さんはこう唱える。

「ファンデーションが見えてはダメ。よく、ファンデを塗って『あら、キレイな質感』とか言うけど、それはファンデが見えているってこと。何もつけていないように見せる〝素肌感〟が大事なんです」
 

【スキンケア】
メイク前に使うべきはクリーム!

保湿重視のクリームを手のひらに取り、両手を合わせて温め、肌に浸透しやすくしておく。

保湿重視のクリームを手のひらに取り、両手を合わせて温め、肌に浸透しやすくしておく。

肌全体にクリームをのばしたら、両手のひらで軽くプレスするようにして肌に浸透させる。

肌全体にクリームをのばしたら、両手のひらで軽くプレスするようにして肌に浸透させる。


 

◎吉川康雄さん メイクアップアーティスト。ニューヨーク在住。ファッション誌『VOGUE』各国版の表紙メイクなどで活躍。著書に『生まれつき美人に見せる』(ダイヤモンド社)など

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