2作目の『祈り梅』はアルツハイマー病の姑を嫁が介護する話。『ユキエ』の上映会を開いた人たちが中心となり、「『折り梅』応援団」を発足させて製作から上映までをサポートしてくれた。映画の登場人物と同じように、親の介護や老いの問題を抱えていた全国の女性たちが共感し、『折り梅』の観客動員は100万人を超えた。
一般の観客が、観たい映画を資金集めから支援するというこのスタイルは、続く三作目『レオニー』にも引き継がれた。
「ハリウッドでも日本でも、イサム・ノグチを主人公にした映画を撮りたいという男性監督はいるでしょう。でも私は、母親レオニーに光を当てたいと思いました。野口米次郎を世に出して、その子イサム・ノグチを未婚の母として育てたレオニーの姿は、女性たちに勇気を与えると考えたのです」