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【今話題のMEC食】肉・卵・チーズがメインの
食事で本当に痩せられる?

今までのダイエットの常識を覆す、肉・卵・チーズをメインにしたMEC食について知りたい!

最近話題の「次世代糖質制限」とも言われるMEC(メック)食は、肉(Meat)・卵(Eggs)・チーズ(Cheese)を食事の中心にして健康的に痩せようという食事法。今までのダイエットや健康に関する定説を覆す点が多く、初めて聞くと「え? その食事で痩せられるの?逆に太りそうだし不健康ではないの?」と、驚く人も多い。

沖縄・那覇のクリニックからこの食事法を発信し続ける医師・渡辺信幸さんにMEC食について聞いた。

「長年の離島医療で様々な人の治療と健康管理をしてきた経験からMEC食が生まれました。糖尿病の人、体の弱ったお年寄りが動物性たんぱく質と動物性油脂を積極的に摂ることによって、みるみる健康になっていきました。体脂肪の多かった肥満傾向の人が肌ツヤツヤで筋肉質になり、スリムで引き締まった体型になっていくのを目の当たりにして、MEC食は美容やダイエットにも効果的であることを確信しました」と、渡辺さん。

MEC食の大きな柱は肉・卵・チーズを毎日しっかり、一口30回噛んで食べること。

「日本人のたんぱく質不足については最近注目されてきましたが、低糖質で良質のたんぱく質を摂れる食材から摂ることが大切です。アミノ酸バランスがよく良質のたんぱく質をたくさん摂れる肉、完全食品と言われるほど栄養価の高い卵、たんぱく質やカルシウムが豊富で牛乳に比べ低糖質のチーズ、この3種類で効率よく摂りましょう」

また、これらをよく噛むことにより食材本来の味がしっかり味わえ、しっかり食べた、という満足感も得られる。肉・卵・チーズをしっかり食べたあと、さらにご飯やパンが欲しかったら食べてもいい。一口30回噛む、を実践するには食事時間が40分程度かかるため、「1日3回そんな時間をかけて食べるなんて無理」と思う人も多いだろうが、MEC食は食事の回数、いつ食べるかは全くの自由だ。

「肉の種類はなんでもいいのですが、赤身より脂のある肉のほうがいいです。それをバターかラードで焼いて食べるのがおすすめです。野菜はおもにビタミンCを摂るために、葉もの中心に付け合わせとして食べましょう」と、ここでも今までの価値観を覆される。

「動物性の脂肪は大いに摂ってください。脂肪の摂取量が少ないと細胞膜や血管壁などが弱くなりボロボロになってしまいます。バターやラードは加熱に強く酸化しにくい、体にいい油です」

脂肪をちゃんと摂っていると満足感が高まりストレスを和らげるため、間食に甘いものを欲することもなくなると話す渡辺さん。

「MEC食を始めると、たんぱく質や脂質のおかげで体の中、細胞から若々しくきれいになります。運動の苦手な人がMEC食を始めて筋肉が増えてくると、元気になって自然と体を動かすようになってきます。MEC食のルールは実にシンプル。誰でも簡単に始められます」

「MEC食のここが知りたい」を、渡辺さんに質問!

Q 脂身の肉、ラードやバターって、体に悪くないのですか?

「そんなに動物性の脂を摂っているとコレステロール値が上がり、血管が詰まって動脈硬化や脳卒中になってしまう、と心配する人もいますが、そんなことはないので安心してください。食事とコレステロール値に関係性はないということが最近わかってきました。昨年、厚労省も『日本人の食事摂取基準(2015年版)』で、今まで定めていた脂質の摂取量の上限をなくしました」

Q 従来の糖質制限とはなにが違いますか?

A「糖質制限食とMEC食は低糖質・高たんぱくという基本的な考え方は一緒です。ただ、従来の糖質制限食が〝糖質を制限する〟ことを最優先しているのに対して、MEC食は〝栄養不足にならないように、たんぱく質と脂質をしっかり摂ろう〟が最優先。糖質を制限することだけを考えていると、今までの和食中心の食事から単純に穀物を抜く食生活になりがちです。すると、野菜や植物性のたんぱく質中心に偏ってしまい、栄養不足になってしまうのです」

Q 野菜をたくさん食べないで肉ばかり食べていると、便秘になりませんか?

「肉をよく噛んで食べれば胃腸の消化液によってほとんどすべてが消化されます。だから肉をたくさん食べる人の便の量は少なく、便通も2日に1度程度ですが、それは便秘ではありません。それに対し野菜の食物繊維は消化されずに残り、便となって排出されます。食物繊維の多い野菜を摂りすぎると、消化されない食物繊維が腸に詰まって便秘になることもあるので注意してください」

Q MEC食だとカロリーが高くなるのが心配です。

「摂取カロリーと消費したカロリーのバランスによって人は太ったり痩せたりする、という従来の考え方があります。つまり、太る原因はカロリーにある、というわけです。しかし現在はその考えに異議を唱える専門家が増えています。太る原因は糖質の摂取により血糖値が上がり、インスリンというホルモンが放出され体内に脂肪を溜め込んでしまうからである、という考え方です。つまり、太るのは糖質を余計に摂取したせいです。その考え方から生まれた食事法であるMEC食では、カロリーを気にする必要はありません」

Q なぜ、魚ではなく肉なのですか?

A 「もちろん魚からもたんぱく質を摂ることはできます。ただ魚と肉を比較すると肉にはたんぱく質のほか、鉄分や脂肪、ビタミンなど他の栄養素も多く含まれているうえ、アミノ酸バランスの優れた良質なたんぱく質を効率よく体内に取り込むことできます。また、魚は肉より鮮度が落ちやすく、下ごしらえや調理法も大変なことが多い。毎日コンスタントに食べるなら、やはり肉がおすすめです。〝今日は魚をたくさん食べた〟という日も、それでOKということにしないで、必ず肉も摂るようにしてください」

『クロワッサン』929号(2016年7月25日号)より

●渡辺信幸さん こくらクリニック院長/離島医療の経験から予防医学に注目。生活習慣病外来で4000人以上のの患者のダイエットを成功させ、MEC食ダイエットを提唱。

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