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食事制限で体重が減らないときは
ビタミンB群たっぷりのレシピ!〜主食と常備菜編〜

コツさえ掴めばビタミンB群を補うのは簡単です。食事を減らさずにダイエット効果を高める知恵、頭に入れておきましょう!

夏に向けてそろそろダイエット、と食事を控えめにしたものの、ほとんど成果なし。炭水化物も油脂も減らしているのに一体なぜ?

その理由は栄養素の代謝を促すビタミンが足りていないせい、と管理栄養士の石川三知さん。

「とくに重要なのはビタミンB群。3度の食事の野菜の量が少なかったり、食材の種類が少ないとビタミンB群をまんべんなく摂ることは難しいんです。また、ごはんやパンなど白い精製食品をしょっちゅう口にするのもビタミンB群不足の原因。精製食品にはほとんど糖質しか含まれていないので、その代謝のためにビタミンB群が不足しやすくなるんです」

栄養学的には糖質の代謝にはビタミンB₁が、タンパク質の代謝にはビタミンB₆が、脂質の代謝にはB₂が主に働くと考えられている。だが、石川さんは特定のビタミン摂取を狙うのではなく、8種類あるビタミンB群を複合的に摂ることが重要だという」。

「野菜と食材を増やすことで、 ビタミンB群は確保できます」と管理栄養士の石川三知さん

「というのは、カラダの中にはTCA回路と呼ばれるエネルギーを燃やすシステムがあり、その回路を回すにはビタミンB₁からB₁₂までのすべてのビタミンB群が必要なんです。TCA回路の中に栄養素を送り込むためには、いろいろ下処理をしなければいけません。その仕事を受け持っているのもビタミンB群。ですから、たとえば糖質を食べたときにビタミンB₁をきちんと働かせたかったら、その他のビタミンB群も摂る必要があるんです」

糖質もタンパク質も脂質も人のカラダにとってみれば異物。それをエネルギーとして燃やしたり、カラダの一部にするためには、分解や再合成といった複雑な手順が不可欠。その手順を主に助けてくれるのがビタミンB群だ。

「1.野菜が足りない、2.白い精製食品が多い 3.食材の種類が少ない」といった理由でビタミンB群が不足すると、うまく使い切れない栄養素が脂肪として蓄えられてしまうというわけ。

野菜、豆、きのこ、海藻などでビタミンB群と嵩をカバー。

「炭水化物や脂質の量を減らしても、食事全体の嵩を減らさないということも大事です。嵩が減ると消化器官があまり動かず、内臓脂肪がつきやすくなってしまうからです」

では、何で嵩を増すかというと、ビタミンB群が豊富に含まれている野菜や豆、海藻類、きのこ、ごまなどの種実類。野菜は単品ではなく、葉もの、実、根菜など異なる部位のものをできるだけ揃えて食卓に乗せる。こうした食材を上手に組み合わせていけば、ダイエットエット効果は必ず期待できるという。

「また、摂取するエネルギーを落としすぎてカラダが低燃費状態になっていると、さらに脂肪は溜まりやすくなります。これは少ない予算でやりくりしている家庭にたまにお金が入ってくると、とりあえずへそくりとしてとっておく、という図式と同じこと」

タンパク質のおかずは3食とも必ず摂る。脂質も全部カットするのではなく質のいいものを適量いただく。そしてB群効果で賢いダイエットを。

【糖質+B群】糖質は複数の食材を組み合わせ、常備菜とともに。

ダイエット時には糖質を含む炭水化物をいつもより少しだけ控えめにすることが基本。そのかわり、ビタミンB群が豊富な食材を数多く組み合わせて摂ることを心がける。たとえば、白いごはんを食べるときはしらすやごまなどを混ぜ込む。あるいは、さまざまな穀類が入った雑穀を食べるという具合。

また、発芽した状態の植物、豆、もやし、葉もの野菜などにもビタミンB群が豊富。こうしたものや、きのこ類の常備菜を用意しておいて、食卓にちょこちょこ乗せるのもひとつの手。ここにタンパク質のおかずをプラスすれば完璧です。

もやしナムルとしらすぼしのさっぱり混ぜごはん

炊きたての白いごはんに、しらす、ごま、刻んだ大葉などを混ぜ込むだけの簡単混ぜごはん。さっぱりとした味わいで香りと食感が楽しめる。

【しらすぼしのさっぱり混ぜごはん】

材料(2人分) ごはん300g しらすぼし大さじ3 みょうが1個 大葉5枚 A[ごま油小さじ2 しょうゆ小さじ2] 塩適量 白ごま適量

作り方 ①みょうがは小口に切る。大葉は千切りにしておく。②温かいごはんにしらすぼし、みょうが、大葉とAを加え混ぜ合わせ、塩で味を調え白ごまを振る。

【もやしナムル】

材料(作りやすい分量) もやし2袋 きくらげ5g きゅうり1本 おろしにんにく½かけ分 A[ごま油大さじ1 酢大さじ1 しょうゆ大さじ1 はちみつ小さじ2 コチュジャン小さじ1] 塩適量 すりごま大さじ3

作り方 ①もやしは茹でておく。きくらげは水で戻し茹でて千切り、きゅうりは斜めにスライスし塩少少を振りかけしんなりさせる。②材料の水気を絞りAと合わせ、塩で味を調えすりごまを加え混ぜる。

きのこの和風マリネと雑穀米ごはん

レモンとワインビネガーで仕上げたきのこのマリネはピリ辛風味がアクセント。麺つゆで味つけすることで和風テイストに変身。

【雑穀米ごはん】

材料(作りやすい分量) 白米150g 雑穀150g

作り方 白米と市販の雑穀を半々の分量で混ぜて炊く。

【きのこの和風マリネ】

材料(作りやすい分量) まいたけ、しいたけ、エリンギ、えのきだけ等500g オリーブオイル大さじ1 にんにく1かけ 鷹の爪1本 塩小さじ⅓ A[白ワインビネガー大さじ1 レモン汁大さじ1 麺つゆ(濃縮2倍)大さじ1強]

作り方 ①きのこは石突きを落とし食べやすい大きさにする。にんにくはスライスする。②フライパンににんにくと塩、オリーブオイルを熱し、にんにくの香りが出たら鷹の爪、①のきのこを加え炒め合わせる。③粗熱が取れたら合わせたAの液に漬ける。

 

『クロワッサン』929号(2016年7月25日号)より

●石川三知さん・管理栄養士、Office LAC-U代表。/元フィギュアスケート選手・高橋大輔さんのメダル獲得に貢献。現在は東海大仰星高校ラグビー部、競泳の渡部香生子選手などアスリートの栄養指導に携わる。

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