涼やかに夏バテ防止
旬の果物で作る酵素シロップ。
広口のジャーがあれば、自分で簡単に作れるのが「酵素シロップ」。季節の果物、野菜など好みのものを組み合わせて、砂糖漬けにするだけ。待つこと約1週間(冬なら2週間)で、自家製の酵素シロップができあがります。
「作るプロセスが楽しいんです。色もきれいだし、香りもいい。できあがりの味を想像して、どんな果物を組み合わせようかな、と考えるのも幸せな時間です」とは、酵素シロップの生みの親、杉本雅代さん。もともとは野草で作る方法を習ったが、果物でもできるのでは? と思って始めたそう。
「果物や野菜に含まれる酵素と、自分の手の常在菌が、砂糖を栄養にして発酵し、日々変化してシロップになるのを見ていると、愛おしくなりますよ。まさにジャーの中で『腸内フローラ』ができるので、私は便秘知らずです」
年齢とともに減りがちな酵素を、何種類も補ってくれるのが酵素シロップの魅力。発酵していく過程で砂糖はブドウ糖に変わり、夏バテ気味の体を動かすエネルギー源にもなります。
基本の作り方は、以下に。材料は季節の果物を中心に、野菜やハーブなど好きなものを3〜4種類、彩りよく組み合わせる。酸味のある柑橘類をベースにすると失敗が少ないそう。
「ぬか床と同じように、1日1〜2回、よく洗った手でかき混ぜます。私の経験では、他のことに気を取られちゃうと、おいしくできないんです(笑)」
混ぜるときに、シュワーッと細かい泡がたくさん出るようになったら、できあがり。どんな酵素シロップができたかは、飲んでみてのお楽しみ。
基本シロップの作り方。発酵のプロセスも一緒に楽しんで。
材料(作りやすい分量)
レモン2個、夏みかん中1個、ライム1個、ブルーベリー50g、しそ少々、砂糖適量
1.果物類は軽く洗って水分を取っておき、2ℓ用の瓶で600gほどになるように調整する。その1.1倍(660g)の砂糖を用意する。砂糖が少ないと発酵しにくくなったり、かびが生じることも。
2.柑橘類は皮とわたを除き、適当な大きさに切っていくが、酵素は金属を嫌うので、包丁で切る回数は最小限にする。ブルーベリーは丸ごと使う。
3.まず砂糖を入れ、その上に切った果物類、砂糖の順に重ねていく。外から彩りよく見えるよう詰めたら、最後にふたをする。密閉しないよう、ふたのパッキングは外す。
4.翌日から毎日1~2回、手を入れてよくかきまぜる。混ぜる前によく手と腕を石鹼で洗っておくこと。果物をつぶしても構わないので、底からしっかり混ぜる。「いい香りを楽しみながら、かきまぜましょう」
5.小バエなどがたかるので、発酵が始まったら虫除けにガーゼなどをかぶせ、ずれないよう輪ゴムでとめて、直射日光の当たらない場所で約1週間保存する。
6.材料がしんなりして、手でかきまぜたときシュワーッと細かい泡があがれば、できあがり。
7.できあがりを竹ざるで濾し、一昼夜広げておく。果肉が残ると腐りやすいのでガーゼや三角コーナーのネットなどで二度濾しする。「残った果肉はお風呂に入れると、お肌ツルツル酵素風呂です」
8.濾したシロップは瓶に移し替えて、冷暗所か冷蔵庫で保存する。「酵素は生きているので、容器を密閉しないよう注意してください。ガーゼなどでふたをしておくのがおすすめです」
発酵しやすい上白糖を選ぶ。
適しているのは、発酵しやすく混ざりも
ののない上白糖。「え、こんなに砂糖を?
と心配する方も多いのですが、発酵過程
でブドウ糖に変わるのと、シロップは割
って飲むため、糖分は控えめです」
◎杉本雅代さん グラフィックデザイナー/グラフィックデザインのかたわら、酵素シロップのワークショップを開催。著書に『手作り酵素シロップ』(文化出版局)など。
『クロワッサン』904号(2015年7月10日号)より
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