からだ

ココナッツオイル、最新の食べ方、使い方。

ココナッツオイルは主に中鎖脂肪酸という脂質でできている。中鎖脂肪酸は肝 臓でケトン体に分解され、ブドウ糖に代わり、〝脳のエネルギー源〞となる。抗酸化物質でもあるケトン体は、老化予防にもプラス。

ココナッツオイルは主に中鎖脂肪酸という脂質でできている。中鎖脂肪酸は肝
臓でケトン体に分解され、ブドウ糖に代わり、〝脳のエネルギー源〞となる。抗酸化物質でもあるケトン体は、老化予防にもプラス。

認知症予防の報告が続々と、糖質制限すると効果的。

「トーストにココナッツオイルをつけて食べるのは、もうやめよう」と提案するのは、アンチエイジング医療の第一人者、白澤卓二さん。その理由は、「現代人の糖質依存」にあるといいます。
「朝食でココナッツオイルを摂るとしますね。中鎖脂肪酸が肝臓でケトン体になるまでには3時間かかります。ところが、パンは5分とたたずに一気に血糖値を上げてしまう。その血糖はインスリン分泌を促し、インスリンはケトン体を産生する酵素を抑制してしまうことがわかっています。

第3の糖尿病と言われる認知症をココナッツオイルが予防・改善するメカニズムを思い出しましょう。うまくブドウ糖を使うことができなくなった脳にとって、唯一、栄養として働いてくれるのがケトン体。
つまり、糖質を体に入れてしまうとケトン体レベルが上がらず、せっかくのスーパーオイルを摂る意味が半減してしまうのです。
「認知症の予防・改善を目的にしたい人なら、とくにケトン体を有効に働かせたい。そのためには糖質制限が必赤ちゃんの血中のケトン体濃度は4ミリモルと高いのですが、これは初乳に中鎖脂肪酸が含まれているから。人が生まれたときに脳が要求している燃料は、実は、糖ではなくてケトン体。その時点に立ち戻ることです」

ケトン体を代謝して生きてきたのが我々の先祖、
クロマニョン人。食事の糖質を減らすことが基本です。

私たちの祖先はクロマニョン人で、彼らが生き延びたのは、ケトン体を作れたからという説もあります。
「ケトン体産生酵素に欠損があったネアンデルタール人は滅びました。人類の祖先は脂質を燃やしてケトン体を作り、ケトン体をエネルギーにして獲物を追っていた。糖質を制限して、エネルギーを油とたんぱく質から摂る、こういう食べ方をしていれば、私たちもケトン体を作れます」。

白澤さん自身、朝食で実践。手作りスムージーとココナッツオイルだけで、炭水化物は一切摂っていません。
「糖質依存は、脳の問題。ココナッツオイルには、脳の食欲中枢を刺激するグルコキナーゼという酵素を抑制する働きがあります。空腹時に摂れば、炭水化物への欲求は必ず薄れます」
糖質を摂らずに、1杯のコーヒーに15㏄のココナッツオイルを入れて飲んでみましょう。すると、体の変化を感じるはずだ、と白澤さんは言います。
「実感しにくい場合は、ココナッツオイルの量を増やして様子を見ます。何よりも自分の体で試し、実感すること。糖質制限をすることで〝食行動〟が変わります。急激な血糖値の乱高下がなくなるので、食後に眠気におそわれることもなくなるはずです」

 

◎白澤卓二さん 順天堂大学大学院医学研究科 加齢制御医学講座教授、医学博士/専門はアルツハイマー病の分子生物学。著書に『白澤メソッド ココナッツオイルが糖尿病に効く!』など多数。『「いつものパン」があなたを殺す:脳を一生、老化させない食事』の翻訳も手掛ける。

 

『クロワッサン』900号(2015年4月25日号)より

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