からだ

シャワーだけじゃNG。免疫力をアップしてくれる入浴の効用。

せっかくお風呂に入るなら、正しい入浴法を知りたいもの。今回は、お風呂博士として活躍する石川康弘さんに教えていただきました。

免疫力を上げるもっとも手軽で効果的な方法が入浴。

免疫力は、体温が1度下がると約30%低下すると言われています。女性に多い低体温症は、病気ではないからと放置していると、さまざまな不調や病気を招きかねません。

「原因はいろいろですが、シャワーだけという生活習慣も実は原因のひとつ。入浴は免疫力を上げるもっとも手軽で効果的な方法なんです」

石川さんに、入浴の利点と「入浴による体温上昇=免疫力アップ」のメカニズムを教えてもらいました。

「まず、体の芯まで温めてくれる温熱作用です。血液は約50秒で全身をl周巡ると言われます。湯船に20分浸かると約20回、温められた血液が全身を巡るので、体の末端まで温まります」

理想は38〜40度のお湯に20分ほど浸かること。でも、長く湯船に浸かっているのがどうも苦手という人は?

「体の芯まで温まった合図は、額からうっすら汗が渉むこと。最短なら6〜7分。毎日浴していれば5分くらいでも大丈夫」

汗をかきにくい低体温症の人は、湯船の中で手足の軽いストレッチを行うと早く温まるそう。

入浴後も体の深部の体温は上昇し、その後、下降。深部体温の高低差は、速やかな眠りに導いてくれ、眠りの質そのものを高めてくれます。(資料提供:バスクリン)

入浴後も体の深部の体温は上昇し、その後、下降。深部体温の高低差は速やかな眠りに導いてくれ、眠りの質そのものを高めてくれます。(資料提供:バスクリン)


 

入浴後、すぐに寝るよりも体温が少し落ち着いてから。

入浴は、睡眠の質も上げます。

「入浴後も体温は上昇を続けますが、血管が拡張しているので熱放散しやすく、1時間半ほどで体温はスーッと下がっていきます。体温の高低差は眠気を誘うので、このタイミングで布団に入ると、寝つきがとてもよくなりますよ」

また、免疫力を高める成長ホルモンが多く出る、最初の3時間の眠りがぐっと深くなるとか。

入浴後、すぐに寝たほうが体にいいと思いがちですが、できれば、体温が落ち着いてからのほうがいいのだそう。

「疲れて1分でも早く寝たいと思う日もありますよね。でも、30分多く眠るより、さっと湯船に浸かって充実した眠りを得るほうが、体は元気になれるのです」

入浴を上手に利用して上質な眠りを得ることで、疲労回復と免疫力アップを。

◎石川康弘/バスクリン広報責任者。お風呂博士として、TVや雑誌等で活躍。温泉や入浴、睡眠に関する講演、セミナーでも全国を奔走。

 

『クロワッサン』894号(2015年2月10日号より)

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