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手みやげをひとつ|岐阜『後藤孵卵場』のたまごまるごとプリン「天使の贈物」

  • 撮影・森山祐子 文・嶌 陽子

手品のようなプリンが、自分のプロフィール代わりに。

『きょうの料理』での優しい語り口や、雰囲気を和ますダジャレが人気の後藤繁榮さん。収録の際にもよく持っていくという『天使の贈物』は、場が大いに盛り上がる一品だ。箱を開けると、中には一見、普通の卵が。割ってみると、つるんとしたプリンが詰まっている。

「初めての人は驚きますね。『殻を割らず、いったいどうやって作っているの?』と。料理研究家の土井善晴さんも、『不思議なものですなあ』と言っていました」

まるで手品のようなこのプリンは、特殊な機械で殻を割らずに中身を撹拌し、加熱したもの。原料は卵のみで、砂糖や牛乳などは一切加えておらず、付属のカラメルソースをかけて食べる。実はこれ、後藤さんの実家である岐阜県の「後藤孵卵場」の商品。明治生まれの後藤さんの父親が、若い頃、結核を患ったものの、毎日卵を食べ続けて完治。「卵を一生の仕事にしたい」と決心したことがきっかけで創業した。以来、純国産鶏の卵にこだわり続け、そのおいしさは評判だ。後藤さんが中学生の時、昭和天皇が見学に訪れたこともあるという。少年時代の思い出、卵の安全性、純国産鶏の歴史や現状について……。不思議なプリンを糸口にして語られる話は、どれも興味深く、どんどん引き込まれていくものばかりだ。

「手みやげには、相手に喜んでもらうと同時に、自分のことを知ってもらう意味もあると思っています。このプリンだけで、軽く30分は話ができますから(笑)」

卵本来の味わいを楽しめる、プリンのおいしさもあなどれない。後藤さんは、カラメルソースの代わりにわさび醤油をかけ、熱々のご飯にのせて食べるそうだ。

最後に、後藤さんといえばダジャレ。このプリンも、ぜひダジャレで紹介を、と無理なお願いをしたところ、一瞬考えた後、にっこり笑って答えてくれた。

「わが故郷、岐阜からのギフトです」

後藤繁榮さん
ごとう・しげよし アナウンサー

岐阜県出身。1975年、NHK入局。『きょうの料理』の司会を担当して17年目。他に『ラジオ深夜便』(第1・3・5土曜日)のアンカーを務める。著書に『笑顔を引き出す会話力』(ベスト新書)などがある。

ごとうふらんじょう岐阜県各務原市須衛町4・291 ☎058 370 1510 FAX 058 370 1553 営業時間10時〜16時 3個入り800円、贈答セット(3個入り箱×3。送料込み)3、597円。純国産鶏「もみじ」の卵のみを使って、特殊な製法で作られる。取り寄せ可。
http://shop.gotonohiyoko.co.jp/

 

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