「そう、誰にでもできることです。しかも、自然も土地も豊かな田舎じゃなくてこの狭い東京でもできる。道の端にどくだみやよもぎが生えてればお茶になるし、夏みかんが余ったらマーマレードにすればいい。掃除機がなくても箒とお茶殻で掃除すれば電気いらずです」
それは、人間の手で行うことのできる生活技術だ。
「今は掃除もボタンひとつでロボットがやってくれる時代。トイレの蓋の開け閉めまで自動だったりしますね。しかしそれは無防備じゃないかと私は思う。そんなに生活のすべてを明け渡してだいじょうぶなのかって。福島の原発事故の時もそうでしたが、すべてを頼っていては、電力不足だなんだと脅かされておろおろするしかない」
だから、まずは自分の頭で考えることが大切だと小泉さんは言う。